脂肪溶解注射
気になる部分の脂肪を減らす

脂肪溶解注射は、二重あご、フェイスライン、頬、二の腕、お腹などの皮下脂肪へ薬剤を注入し、部分的なボリュームダウンを目指す治療です。 食事や運動によるダイエットでは、気になる部分だけを選んで脂肪を減らすことは困難です。脂肪溶解注射では、脂肪がついている範囲に薬剤を注入することで、限られた範囲の脂肪にアプローチできます。 切開を伴わず、脂肪吸引よりも少ない範囲から治療しやすいことが特徴です。一方で、1回で大きく脂肪を減らす治療ではなく、使用する製剤や脂肪量によっては複数回の治療が必要です。 脂肪溶解注射には、FatX Core、BNLS、カベリンなど複数の製剤があり、配合成分、脂肪細胞への作用、腫れや痛み、適した治療部位が異なります。

- 監修医師
- 札幌中央クリニック 院長吉村 長嗣
脂肪溶解注射は、製剤によって効果の出方や腫れの程度が異なります。 腫れを抑えながら少しずつ変化させたい場合と、ある程度のダウンタイムを許容して脂肪細胞へ強く作用させたい場合では、選ぶ製剤が異なります。 また、二重あごやフェイスラインのもたつきは、脂肪だけでなく、皮膚のたるみ、筋肉、骨格、あごの形なども関係します。
このような方におすすめ
- 二重あごやフェイスラインの脂肪が気になる
- 頬の脂肪による丸みを減らしたい
- 二の腕やお腹などの部分的な脂肪が気になる
- 脂肪吸引には抵抗がある
- 切開せずに部分痩せを目指したい
- 少量ずつ治療しながら変化を確認したい
- 周囲に気づかれにくい範囲で治療したい
- 自分に適した脂肪溶解注射を相談したい
脂肪溶解注射とは
脂肪溶解注射は、脂肪が気になる部分の皮下組織へ薬剤を注入し、脂肪細胞や脂肪組織に作用させる治療の総称です。 以前は、フォスファチジルコリンを中心としたメソセラピーが広く使用されていました。現在は、デオキシコール酸を配合したFatX Coreやカベリン、ダウンタイムに配慮したBNLSシリーズなど、特徴の異なる製剤があります。 「脂肪溶解注射」という名称が同じでも、すべての製剤が同じ成分や同じ作用を持つわけではありません。 脂肪細胞の細胞膜へ直接作用する製剤もあれば、植物由来成分やアミノ酸などを組み合わせ、脂肪組織への作用やむくみに配慮した製剤もあります。 そのため、価格だけでなく、配合成分、期待する変化、腫れや痛み、治療回数を確認して選ぶことが大切です。
脂肪溶解注射の仕組み
脂肪細胞へ作用する
デオキシコール酸を含む製剤は、脂肪細胞の細胞膜へ作用し、脂肪細胞を壊すことで治療部位の脂肪量を減らすことを目指します。
デオキシコール酸は胆汁酸の一種で、脂質を乳化する性質があります。皮下脂肪へ注入すると脂肪細胞の膜が損傷し、炎症反応が起こります。
このため、脂肪細胞への作用が強い製剤ほど、一般的には腫れ、むくみ、熱感、痛み、硬さなどが出やすくなります。

炎症反応を経て体内で処理される
薬剤の作用を受けた脂肪細胞や脂肪成分は、炎症反応を伴いながら、時間をかけて体内で処理されます。
治療直後に脂肪がなくなるわけではありません。治療後は一時的に腫れて大きく見えることがあり、その後、数週間かけて徐々に変化が現れます。
製剤により作用が異なる
脂肪溶解注射には、デオキシコール酸の濃度が高い製剤、比較的低濃度の製剤、植物由来成分などを組み合わせた製剤があります。
成分や濃度が異なるため、効果の強さやダウンタイムを単純に同じものとして比較することはできません。
また、同じ製品名のシリーズでも、世代や種類によって配合成分が変更されている場合があります。
デオキシコール酸とは
デオキシコール酸は、体内の胆汁にも含まれる胆汁酸の一種で、脂質を乳化して細かく分散させる性質があります。 脂肪溶解注射では、この性質を利用して皮下脂肪に注入し、脂肪細胞の細胞膜へ作用させます。 細胞膜が壊れた脂肪細胞は脂肪を蓄える働きを失い、放出された脂肪成分や細胞は、治療後の炎症反応を経て、時間をかけて体内で処理されます。 そのため、注入直後に脂肪が減るのではなく、腫れやむくみが落ち着くにつれて、数週間かけて治療部位のボリュームが徐々に減少していきます。 一般的なダイエットは脂肪細胞を小さくするのに対し、デオキシコール酸を配合した脂肪溶解注射は、注入した範囲の脂肪細胞そのものを減少させることを目指す治療です。 一度減少した脂肪細胞は元の数に戻りにくいため、二重あごやフェイスライン、頬、二の腕、お腹など、特定の部位の脂肪を減らしたい場合に適しています。 ただし、1回ですべての脂肪細胞を取り除く治療ではなく、脂肪量や使用する製剤、希望する変化によっては複数回の治療が必要になります。
脂肪溶解注射の製剤による違い
FatX Core
FatX Coreは、デオキシコール酸を主成分とする脂肪溶解注射です。
脂肪細胞へ比較的強く作用させ、二重あご、フェイスライン、頬、二の腕、お腹などの部分的な脂肪を減らします。
腫れや痛みをある程度許容でき、BNLSなどの穏やかな製剤よりも明確な変化を希望する方に検討します。 ただし、1回で希望する変化が得られる方が多いですが、脂肪量に応じて複数回の治療が必要になることがあります。
当院では、脂肪溶解注射の中でもFatX Coreを中心に取り扱っています。
BNLS
BNLSは、顔や身体の部分痩せを目的として使用されてきた脂肪溶解注射のシリーズです。
植物由来成分などを中心とした初期製剤から、デオキシコール酸やL-カルニチンなどを追加した製剤まで複数の種類があります。 一般的には、FatX Coreなどの高濃度デオキシコール酸製剤と比べ、腫れや痛みに配慮した製剤として案内されることが多く、顔の限られた範囲へ少量ずつ治療したい場合に使用されます。
一方で、1回あたりの変化は穏やかなことが多く、希望する変化を得るために治療回数が増える場合があります。
腫れをできるだけ抑えたい方、周囲に気づかれにくい範囲で少しずつ治療したい方に向いています。
カベリン
カベリンは、デオキシコール酸を中心に、L-カルニチンやアーティチョーク由来成分などを組み合わせた脂肪溶解注射です。
FatX Coreと同様に脂肪細胞へ作用するデオキシコール酸を含みますが、製品ごとに配合濃度や成分構成が異なります。
一般的には、BNLSよりも脂肪細胞への作用を重視しながら、FatX Coreよりは腫れや痛みとのバランスを取りたい場合に選択されることがあります。 注入量や治療部位によっては、腫れ、むくみ、痛み、硬さが生じることがあります。
フォスファチジルコリンを配合したメソセラピー
従来型の脂肪溶解注射では、フォスファチジルコリンとデオキシコール酸を組み合わせた製剤が使用されてきました。
フォスファチジルコリンはリン脂質の一種ですが、脂肪細胞への作用には、製剤に含まれるデオキシコール酸の影響も大きいと考えられています。 現在は、デオキシコール酸の濃度や配合成分が明確な製剤が増えており、従来型メソセラピーだけでなく、目的やダウンタイムに応じて製剤を選択するようになっています。
治療できる主な部位
あご下・二重あご
脂肪溶解注射の適応になりやすい部位です。
指でつまめる程度の皮下脂肪があり、皮膚のたるみが強くない方では、あご下のボリュームを減らすことで横顔やフェイスラインがすっきり見えることがあります。
ただし、あごが小さい方や後退している方では、脂肪量が多くなくても二重あごに見えることがあります。
フェイスライン
口元の横からあごにかけての皮下脂肪へ注入し、輪郭のもたつきを整えます。
フェイスラインのもたつきには、脂肪のほか、皮膚のたるみやエラの筋肉も関係します。
頬
頬の下側にある皮下脂肪へ注入し、顔の丸みや下膨れの印象を整えます。
頬骨の下など、もともとくぼみやすい部分へ注入すると、頬のこけが目立つ可能性があります。顔全体の脂肪量を確認し、注入する範囲を判断します。
二の腕
二の腕の外側や後ろ側にある、限られた範囲の皮下脂肪へ注入します。
治療範囲が広い場合は必要な薬剤量が増え、費用や腫れも大きくなります。
お腹・ウエスト
下腹部、脇腹、腰周りなどの部分的な脂肪へ使用します。
お腹全体など広い範囲の脂肪を減らしたい場合は、複数回の脂肪溶解注射よりも脂肪吸引が適していることがあります。
太もも・膝周囲
太ももの内側、外側、膝上などの限られた脂肪へ注入します。
太もも全体を大きく細くする治療ではなく、部分的な張り出しを整える治療です。
脂肪溶解注射で改善できないもの
内臓脂肪
脂肪溶解注射で治療できるのは皮下脂肪です。
お腹の内側にある内臓脂肪を減らすことはできません。
筋肉による太さ
エラ、肩、ふくらはぎなどの太さが筋肉の発達による場合は、脂肪溶解注射では十分な変化が得られません。
筋肉が主な原因の場合は、ボトックスなどを検討します。
骨格
頬骨、下あご、肩幅、骨盤などの骨格を脂肪溶解注射で変えることはできません。
皮膚のたるみ
脂肪溶解注射は脂肪を減らす治療であり、皮膚を強く引き上げる治療ではありません。
皮膚のたるみが強い場合は、脂肪が減ってもフェイスラインや身体のもたつきが残ることがあります。
効果が現れるまで
脂肪溶解注射は、治療直後に脂肪が減る治療ではありません。 デオキシコール酸を含む製剤では、治療後に腫れや炎症反応が起こり、その後数週間かけて徐々に変化が現れます。 FatX Coreなどでは、治療後3〜4週間頃から変化を確認しやすくなり、最終的な状態の判断には1〜2か月程度かかることがあります。 BNLSなど比較的作用が穏やかな製剤では、変化が分かりにくく、複数回の治療後に効果を感じることがあります。
治療回数と治療間隔
必要な治療回数は、使用する製剤、脂肪量、治療部位、注入量、希望する変化によって異なります。 脂肪量が少ない場合は1回で変化を感じることもありますが、一般的には複数回の治療を検討します。 治療間隔は、前回の腫れや硬さが落ち着いてから判断します。FatX Coreなどでは4週間程度を目安にしますが、症状が残っている場合はさらに期間を空けます。
脂肪溶解注射と脂肪吸引の違い
脂肪溶解注射は、切開せずに少量ずつ治療できることが特徴です。 脂肪量が少ない部位や、少しずつ変化させたい方に向いています。一方で、治療範囲が広い場合は薬剤量が増え、複数回の治療が必要になるため、費用が高くなることがあります。 脂肪吸引は、小さな切開からカニューレを挿入し、皮下脂肪を直接吸引する治療です。 腫れ、内出血、圧迫固定などのダウンタイムがありますが、脂肪量が多い方では、1回でより明確な変化を目指せます。 脂肪量が少なく切開を避けたい場合は脂肪溶解注射、脂肪量が多く1回で変化を出したい場合は脂肪吸引を検討します。
脂肪溶解注射とダイエットの違い
食事や運動によるダイエットでは、全身の脂肪細胞が小さくなります。 脂肪溶解注射では、薬剤を注入した範囲の脂肪細胞へ作用するため、限られた範囲の部分痩せを目指せます。 ただし、体重を大きく減らす治療ではありません。全身の肥満や内臓脂肪を改善するには、食事や運動などによる体重管理が必要です。
リバウンドについて
デオキシコール酸によって減少した脂肪細胞は、元の数には戻りにくいと考えられます。 ただし、すべての脂肪細胞がなくなるわけではありません。治療後に体重が増えると、残っている脂肪細胞が大きくなり、再び脂肪がついたように見えることがあります。 脂肪溶解注射を受ければ、食事や運動を気にしなくてもよいということではありません。
ダウンタイム・治療後の経過
脂肪溶解注射では、注入部位の腫れ、むくみ、赤み、痛み、熱感、内出血が起こることがあります。 症状の程度は、使用する製剤、注入量、治療部位によって異なります。 FatX Coreなどデオキシコール酸濃度の高い製剤では、治療後数日間に強い腫れや痛みが出ることがあります。硬さ、しこり、つっぱり感、しびれなどが数週間続く場合もあります。 BNLSなどダウンタイムに配慮した製剤でも、腫れや内出血がまったく起こらないわけではありません。
治療後の注意点
治療当日は、注入部位を強く押したり、自己判断で強くマッサージしたりしないでください。 長時間の入浴、サウナ、激しい運動、飲酒などは、腫れや内出血を強めることがあるため、当日は控えてください。
リスク・副作用
脂肪溶解注射では、腫れ、むくみ、赤み、熱感、痛み、圧痛、内出血、かゆみ、硬さ、しこり、つっぱり感などの可能性があります。 そのほか、感染、アレルギー反応などが起こる可能性があります。
よくある質問
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- 脂肪溶解注射とはどのような治療ですか?
- 皮下脂肪へ薬剤を注入し、脂肪細胞や脂肪組織へ作用させる部分痩せ治療です。
使用する製剤によって、成分、作用、腫れ、必要な治療回数が異なります。
- FatX Core、BNLS、カベリンは何が違いますか?
- FatX Coreは、脂肪細胞への作用と変化を重視する一方で、腫れや痛みが出やすい製剤です。
BNLSは、比較的ダウンタイムに配慮しながら、少しずつ変化させたい場合に使用されることがあります。
カベリンはデオキシコール酸を配合し、脂肪細胞への作用とダウンタイムのバランスを考えて選択される製剤です。
ただし、BNLSには複数の種類があり、各製剤の成分や濃度も異なるため、一律に比較することはできません。
- 当院ではどの製剤を使用していますか?
- 当院では、FatX Coreを中心に取り扱っています。
脂肪の量、治療部位、希望する変化、確保できるダウンタイムを確認して、適した治療をご提案します。
- 1回で効果がありますか?
- 脂肪量が少ない場合は1回で変化を感じることもありますが、一般的には複数回の治療を検討します。
必要な回数は、製剤、脂肪量、注入量によって異なります。
- 何回受ければよいですか?
- すべての方に同じ回数が必要なわけではありません。
1回ごとの変化と残っている脂肪量を確認し、追加治療が必要かを判断します。
- どのくらいの間隔で治療しますか?
- 前回の腫れや硬さが落ち着いてから次回の治療を行います。
FatX Coreでは4週間程度を目安としますが、症状が残っている場合はさらに期間を空けます。
- 治療後は腫れますか?
- 腫れの程度は製剤によって異なります。
FatX Coreなどでは強い腫れやむくみが数日から1週間程度続くことがあります。BNLSなどでも、腫れや内出血が起こる可能性はあります。
- 脂肪溶解注射で体重は減りますか?
- 脂肪溶解注射は、限られた範囲の皮下脂肪を減らす治療です。
全身の体重を大きく減らす治療ではありません。
- セルライトにも効果がありますか?
- 脂肪量が減ることで見た目が変化することはありますが、セルライトによる皮膚表面の凹凸を完全になくす治療ではありません。
- 脂肪吸引とどちらがよいですか?
- 脂肪量が少なく、切開を避けて少しずつ変化させたい場合は脂肪溶解注射を検討します。
脂肪量が多く、1回でより明確な変化を希望する場合は、脂肪吸引が適していることがあります。
- 頬がこけることはありますか?
- 注入範囲が広すぎる場合や、もともと脂肪が少ない方では、頬がこけて見える可能性があります。
頬骨の下など、将来的にくぼみやすい部分を避けて注入することが大切です。
- 脂肪が減ると皮膚はたるみませんか?
- 皮膚の弾力がある方では、脂肪が減ることで輪郭がすっきり見えることがあります。
皮膚のたるみが強い場合は、脂肪が減ってもたるみが残る、または目立つことがあります。



