性別違和・性別不合
性別違和・性別不合・性同一性障害(GID)治療はホルモン補充治療と美容外科施術のみ行っています。ホルモン補充療法は性別違和・性別不合の診断書が必要になります。
当クリニックでは、性別違和・性別不合の診断は行っておりません。
ホルモン補充治療
性別違和・性別不合に、ホルモン補充治療を行います。FTMは男性ホルモン、MTFは女性ホルモンの投与を行います。ホルモン治療期間中は血液検査により性ホルモンの濃度を定期的に測定します。
性ホルモンの投与方法は注射剤、パッチ剤、経口剤があります。
副作用が最も少ないのは注射によるホルモン補充療法であり、日本においては一般的に注射剤での治療が行われています。また経口剤での治療が最も肝機能障害を引き起こす頻度が高くなります。
インターネットや個人輸入による経口剤の服用により、知らない間に肝機能障害に陥っていることがあるので注意が必要です。
MTF
- 薬剤: プロギノンデポー または ぺラニンデポー(吉草酸エストラジオール10mg/1A)
- 投与間隔:10mg(1A)または20mg(2A)を2~3週間隔で投与
- 効果: 乳腺組織の増大、脂肪の沈着、体毛の変化、不可逆的な精巣の萎縮と造精機能喪失
- 副作用/リスク:
血栓症、肝機能障害、乳房痛、心血管イベント、胆石、肝腫瘍、下垂体腫瘍などの可能性
FTM
- 薬剤: エナルモンデポー または テスチノンデポー(エナント酸テストステロン125mg/1A、250mg/1A)
- 投与間隔:125mgまたは250mgを2~3週間隔で投与
- 効果:
月経の停止、体重増加、筋肉の増加、脂肪の減少、声の変化、クリトリス肥大、体毛の増加など - 副作用・リスク:
肝機能障害、多血、多毛、禿頭、ざ瘡、月経異常、血栓症、心血管イベント、胆石、肝腫瘍、下垂体腫瘍などの可能性
ホルモン補充療法の期間中は、血液検査による肝機能や脂質、尿酸、テストステロン濃度、プロラクチン濃度等の測定を開始から1年間は3ヵ月毎、以降6ヶ月~12ヶ月毎に受けるのが必要です。